キノコファクトリーのねじろでは、月に1~2本ほど責任者・高野(以下 主催者)主催の参加型の企画展がございます。
そのご参加に際し、「可能な限りルールをゆるく」という方針がございましたが、主催者がそれに甘んじていたことにより参加者様にご迷惑をおかけする事案がございました。
そこで今般、全企画展に共通する規約として方針を明文化させていただきました。この規約は2022年5月30日より有効といたします。
※過去の事例につきましては、これに反していたとしてもいっさい不問となります。あくまでも今後のお話となります。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
また、「こういう規定もあったほうがいいのではないか」というご意見がありましたら、今般に限らず随時お寄せください。私の中にある大きな方針と照らし合わせ採用を検討させてください。ぜひとも皆様のご意見を参考にさせていただければ幸いです。
●作品送付締切について
展示にかかる作業の円滑化のため、作品の送付締め切りを設けております。
ご事情があったり、勘違いで締切日を過ぎてしまった場合などは、まず主催者までご連絡ください。<会期スタート当日の午前中>までにねじろに届けられるのであれば展示の方向で対応いたします。 但し、遅延により展示作業等の関係で展示期間が短くなっても、展示料は規定の金額を頂戴いたします。
●作品サイズ規定について
各企画展に、規定サイズを記載しております。これは「他の展示作品を極端に圧迫する巨大なもの」を避けるためであり、都度のご確認と遵守をお願いしております。
ただし、「出来上がったものの、これは果たしてどうかな」と思った場合は主催者の責任において判断いたしますので、事前にお問い合わせください。
およその目安として、たて・よこ・奥行きのオーバー値の合計がおおむね5cm前後であれば許容範囲と判断する事になると思います。どれか一辺が15cm以上オーバーしている場合は、検討の結果展示が難しいと判断する可能性がございますので必ず事前にご連絡ください。
展示できなかった場合はその規格が展示可能な別の企画展までお待ちいただくか、作品を撮影した写真など平面での展示などで対応させてください。
●SNS等における、ご本人様による作品の事前/会期中の公開について
これは特に禁じておりません。制作過程など、ぜひともご自由に公開なさってください。
禁じない理由といたしまして、ねじろはシェアアトリエ&ギャラリーのため、アトリエ利用とともにギャラリーを閲覧される方が多く「作品のウェブ公開によって実際に足を運ばれるお客様が少なくなる」という可能性は低いと判断していることによります。むしろウェブで見て「生で見てみたい!」とおっしゃる方が多い印象です。
●問題点に気づかれたら
企画展運営方針に際し疑問点が発生した場合、特に他者の作品にまつわる問題点が感じられた場合には必ず、SNS等で公開発信する前に主催者・高野宛にメールをお送りください。TwitterDM・オフィシャルLINE等でもよく、連絡さえつけば媒体は問いません。
SNS上などで他の参加者様に直接問題点を指摘することにつきましても、当ギャラリーでの企画展においては禁止とさせていただきます。おやと思ったら、必ずいったん「高野に連絡」をお願いいたします。
すべての作品は主催者が目を通した上で、展示可否の判断を行い展示いたしますので、責任はすべて主催者にございます。
●製作途中にルールとの葛藤が生まれたら
ねじろは「寛容」をモットーとして運営しております。そのため、展示に際してもさまざまな例外が発生いたします。「このテーマでやってみたいことがある。でもルールに即しているか不安」と感じたら我慢をせず、事前のお問い合わせをください。
お問い合わせをいただければ、必要に応じて第三者とも協議を行い対応可能な範囲で柔軟に対応いたしますので、アイデアがあるならばぜひともできるだけ協力させてください。
そのかわり、他者に対しても許容のこころをお持ちいただけますよう、相互に最大限の努力をお願いいたします。
※これらの規則に頻出する「柔軟に対応」については、「悪意、故意がないと判断される事例」において発動いたします。悪意・故意があるかどうか、その判断の責任は主催者がすべて負っております。信頼できる第三者に意見を聞くことはありますが、最終判断は主催者になります。
その判断がまちがい・勘違いと思われる場合、どうかご本人様よりご指摘ください。なるべく広い視座で対応したいと考えております。
■ルールのゆるさについて補足
ねじろのルールは基本的にゆるくなっております。今回、明文化こそさせていただいたものの、内容のゆるさそのものにはあまり変化がないと感じられた方も多いと思います。
これには、「これまで展示というものに手を出せなかった人たちにやさしいギャラリーでありたい」という当初からの思いがあります。
たとえば体調が不安定だからちゃんとしたギャラリーに予約をして出すのは難しいという方、経験不足からどこまでやっていいのかわからず表現の幅を自ら狭めてしまう方、うまく働けなくて展示料を支払うのが難しい方など、展示というものをしてみたくてもさまざまな障壁がある方が多くおられました。
そうした方々に、「体調の件ならドタキャンになっちゃってもいいよ」「どこまでやっていいのかはいちいち問い合わせてくれたらいいよ、いちいち答えるよ」「たいしたギャラリーじゃないけど、その代わり安いよ」といった、ステップアップのための場を設ける必要を感じていたことから、ねじろの、まるで文化祭のようなギャラリーシステムは生まれました。
作家さんとしてのレベルが上がってくると、この寛容さがむしろ窮屈に感じられてくると思います。それは、ねじろのギャラリーが「やがては卒業するべき場所」であり「外で疲れたらたまに帰ってくる場所」として設定されているからです。
「もっと上」を目指す時、きっともうねじろではもの足りなくなっているはずですし、そのときにはもうねじろでなくても立派に展示ができる力がついている頃合いだと思うのです。
だから、今回は寛容さをそのまま継続して明文化する方向性をとりました。
正解かどうかはわかりません。けれども、キノコファクトリーのねじろは主催者・高野の信念の化身であるからして、この選択を取りました。ご意見は真摯に受け止めたいと思います。
2022年5月15日
シェアアトリエ&ギャラリー キノコファクトリーのねじろ
髙野温子